インクと爪跡

不器用にあつめた刹那の花束

2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

短編「M」

M 尾てい骨から背筋の反り目にかけて微弱な痺れが伝った。腹を殴る圧迫感、へそから指一本分下の位置に気泡を立てるむず痒さが、心臓の指令を破壊させ吐き気のような苦しみを波打たせる。質量のない涙は空虚、それを浮き上がらせた熱いこめかみははて、どこ…

現実を疑わない

愚直な言葉を使えば、辛酸を嘗める日々が続いていた。でも何故か、今晩はとても気分が良い。理由は考えないし、この気分にラベルは貼らない。そして何より、現状を疑わない。伝えたいことだけを率直に書けば、じゃあ、僕という作家志望の今後の展望。 幸福を…